今回は、アニメ業界の離職率についてお話します。
結論から言うと、「1年で9割離職」、「3年で9割離職」ということが言われますが、離職率のはっきりとした数字はわかっていません。理由としてはアニメ業界の場合はもともとフリーランスの割合が高いため、その会社を辞めてもアニメ業界から離職するわけではなく、いろいろな会社を転々としながら仕事を続けている人も少なくないからです。
先の回でもお話ししたように、同じ業界でも会社によって全く働き方や賃金が変わっていきますので、もしその会社が合わないと感じたら判断を先延ばしにせずに他社を移ることを検討することをおすすめします。しかしながらそのための裏づけはしっかりとっていただきたいです。
自分の思い込みや勘違いの場合もありますから、「これは会社を変えたほうが良いのか?」と疑問に感じたら、実際に行動に移す前にしっかりと情報収集をする必要があります。
ここにきて大切になってくるのが、業界内での横のつながりです。
今の自分の環境が果たして妥当ものなのかどうなのか?それを確かめるためには実際に他社で働いている人の実情を知る必要があり、他の会社や同業者同士の情報交換はとても大切です。以前ご紹介した私が理事長を務めるNPO法人AEYAC(※注釈)の交流会にはそのような役割も担っています。
(※注釈)主にアニメ業界を目指す学生やアニメ業界で働く人新人若手の支援を目的に交流会・セミナー・イベントなどを開催するNPO法人。
アニメ業界は多忙な上、同業他社との交流もあまり頻繁とは言えないため、意識していないと働き手は周りから情報を得にくい環境になっています。
実際に他社と比べてみると当たり前だと思っていた慣習がその会社独自のものだということや、同じ作品でも他社と比べて単価が全く違うなど実は不利な条件で仕事をしているとわかることもあります。おかしいと感じたら、その違和感をそのままにせず、周りから情報収集をして確認を取ることが大切です。
アニメ業界への道 1問1答!
次回、第12回 「アニメ業界を離れる時はどんな時?」 へ続く!→